« 娘の5歳の誕生日 | トップページ | 練りきりに初挑戦 »

「陰翳礼賛」の読書会でした

2か月に一遍の読書会、今回は私のリクエストで谷崎潤一郎の「陰翳礼賛」の読書会でした。
もう何十年ぶりかで読んだ「陰翳礼讃」。いやー、やっぱり面白かった。
そして、突っ込みどころ満載でした。
「突っ込みどころ満載だよね!」と盛り上がれる、大人なメンバーもまた素敵だなあと改めて思った読書会でした。
私が読んだのは角川ソフィア文庫版で、解説を井上章一さん(「つくられた桂離宮神話」の著者)が書いているのですが、もう、よくぞ言ってくれました!と膝を叩くことしきりw
谷崎は西洋建築が明るい明るいって言うけど、西洋建築ってそんなに明るくないよ!って。
それに、「陰翳礼讃」を読むと、日本建築の素晴らしさをとうとうと述べているけど、本人の自宅はばりばりの西洋インテリアだったとか。
これは井上章一さんも書いていることですが、「陰翳礼讃」って建築関係者の間ではバイブルみたいな扱いで。下手すると、建築関係者で谷崎作品は「陰翳礼讃」しか読んでいない人もいるかもしれない。そうすると、あああのエロ小説で有名な谷崎先生が、こんな名エッセイを書いていたのかあなんて受け止められ方をするかもしれませんが




大間違いです。



谷崎先生のエロ小説を読めば分かりますが、これはエロ爺さんのものの見方を見え方(勘違いの自説を含む)を解説したエッセイです。
私は、本作の題名を「陰翳礼讃」改め「エロの画素」とすべきだと思います。
井上章一さんも、これは建築エッセイとしてよりも、谷崎の小説作品の文脈で読むべきだとおっしゃってまして。私もかなりかなり同意。
ただし、井上章一さんが挙げていた、「春琴抄」や「盲目物語」の文脈というより、私は「刺青」の文脈だなあと思いました。
「刺青」で、駕籠のあの暗闇の中で、着物の裾と足袋との間にチラ見えた女の肌の白さの描写。あれってまさしく「陰翳礼讃」の中に出てくる、着物の色と肌の色の話に通じているし。陰翳礼讃ってやっぱり谷崎の小説作品(もしくは谷崎の変態ぶり)の文脈で読まないと、ホントへんてこな話だと思うんですよ。
まあ、それはさておき。
井上章一さんが「陰翳礼讃」の解説で「春琴抄」のことを書いていたので、これまた何十年ぶりかで「春琴抄」を読みました。やっぱりね、猛烈に面白かったですよ。
驚いた。
この「春琴抄」では、句読点のうちかたでかなり実験的なことをしていて、本来句読点を打つべきところで句読点が打たれていない。ふつうなら読みづらくなる文章なのですが、これがもう読ませる。句読点打たれてないけど、意味が分かる。というかむしろ主人公の心情がめっちゃリアルに分かる。ページをめくる(といってもキンドルでしたので、タップする、か)手が止まらないぐらい。これは漢字とひらがなの使い分けなども巧みにされた結果だと思うのですが。。やはり圧倒的に文章がうまいのだと思います。
作品としても最高で、SM的精神をここまで描き切った作品はないのではと思うぐらい。
あと、最後の方で盲目になって、本当の意味での「官能の世界」に至る。
そこがまたすごいなと思いました。
谷崎潤一郎、すごい。。昔途中で挫折してしまったけれどやっぱり「細雪」読むかあと思いましたね。
冒頭の写真は、陰翳礼讃に合わせて作ったろうそくのアイシングクッキー。
そして、これ↓は、お土産のたねやの干菓子。もう美しくてうっとり。

あと、当日は、参加者が谷崎レシピで柿の葉寿司を作ってきてくれて、それもとても美味しかったなあ(写真撮り忘れた)。
次回は、初の米国文学。ブローディガンの「アメリカの鱒釣り」を取り上げます。
こちらも楽しみ!
追記
高野文子さんが「陰翳礼讃」の一部をマンガにしておりました。高野さんの文章に登場する「乾正雄先生」は私の卒業論文の指導教官でもあります(高野さんが乾先生の本を読んでいたなんて!うれしい)
新潮文庫は夏に古典モノを特別装丁で出すんですが、この装丁、とてもいいですね。まだ買えるのかな。

|

« 娘の5歳の誕生日 | トップページ | 練りきりに初挑戦 »

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

コメント

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 「陰翳礼賛」の読書会でした:

« 娘の5歳の誕生日 | トップページ | 練りきりに初挑戦 »