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若冲展に行ってきました

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遅ればせながら、若冲展の感想など。

いやー、よかったです!
今は240分待ちとかすごいことになってますが、GW前に行ったので20分待ちぐらいで入場できまして、室内はかなり混雑してたものの、お目当ての作品は(黒山で一部見切れてましたが)見られて満足満足。

プライスコレクションとか、襖絵とか、MIHOミュージアムの象と鯨とか。
色々素晴らしい作品が来ていましたが、やはり圧巻だったのが「動植綵絵」でした。
「動植綵絵」というよりも、「動植綵絵」の展示空間と言ったほうが正確かもしれません。
山下先生のトークショウやら図録での予習はしておりまして
作品一つ一つの素晴らしさはわかっていましたが
正直なところ

クドい。濃すぎる。


などと思っておりまして(すんません)。

でも、釈迦三尊像を中心として、30双がズラリとならんだ様子を見たらあのクドさ、濃さがまったく感じられなくて、釈迦三尊像の前あたりに立っていたらふわっとして、なんだか「おむかえ」が来てしまったような、なんとも言えない気持ちになってしまったのです。


美しくて美しくて。生命賛歌、なんて言葉が安っぽく思えるぐらい。素晴らしい空間でした。


まさにあの世。

あの空間がなぜにあんなに素晴らしかったのか

ちょっと(というかだいぶ)考えていて。
自分としては、やっぱりあの楕円形の空間が結構効いている気がしました。
相国寺でも釈迦三尊像と動植綵絵が一同に会する展示をしていましたが
展示室は四角だったらしいんですよね。
相国寺での展示は見ていないのですが、やはりあのぐるりと取り囲む配置にすることで
独特の空間になっていたのではないかと思っています。
オランジュリーのモネの「睡蓮の部屋」みたいにね。この部屋もかなり「あの世」感あります。
あとは、作品の並び。
釈迦三尊像を真ん中に配置したとして、各作品に描かれた動物たちの視線から、各作品が釈迦三尊像の左右どちらに配置されるか、また、どの作品の隣にどの作品を配置するかもかなり考えられていて(山下先生のトークショウより)。
それゆえ、あの空間は、作品単体を見ただけでは味わえないダイナミズム?みたいなものがあったと思うのです。この感覚はたぶん鑑賞者によって異なると思うのですが・・・
今回の展示で、楕円形に配置されることでこれは確実に増幅されている気がするのです。
例えば、あの楕円形の空間の中心あたりに立って見ると、動物同士の視線の交錯の具合とか、動物植物の並びとかの三次元的感覚として入ってきて。これまた非常に新鮮な体験でした。
↑黒山が完全に除去されていればさらに違った感覚を味わえたはず!
もしかして、これって若冲が当時から意図していたものかなあなんて考えてしまいました。

というわけで、会期終了まであと僅か&行列がえらいこっちゃですが、「動植綵絵」はほんと必見なのでおすすめです。

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