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山月記~青春の痛さを実感する大人の再読本

昨日は二か月に一度恒例の(?)読書会でした。
ホントは二月に開催予定だったのですが、うちの娘がインフルに罹ってしまいまして。
延期して昨日やっとこさ開催。
※参加者の皆様すみませんでした&延期ありがとうございました。
いやー、中島敦・・・というか「山月記」よかったですよ!
山月記は確か高校生のときに国語の授業で習ったはずなのですが
全然記憶に残ってなくて、でも読み始めたら、フレーズは憶えてるんです。
しかも結構正確に。
そういう言葉のリズムのよさみたいなもので「高校生のときに読んだはず」
という記憶がよみがえりつつ、大人になって再読すると実にいろんなことに気付くのです。
私はハルキ文庫版の山月記を読んだのですが、この本に添えられた梯久美子さんのエッセイが素晴らしくて。
特に、山月記の冒頭に登場する
「性、狷介(妥協を嫌い、他人を受け入れず)、自ら恃むところすこぶる厚く(自分だけを頼りにする性格)」
のお話に、自らの高校生時代の気持ちも蘇りつつ「アタタタ・・・」と痛い気持ちになってしまいました。

ねえ。高校生のときってありませんでした?
「自分は他人とは違う。自分はこんなもんじゃない」っていう変な自惚れか孤独とか。
それをこの超短い文で表現しているのが、見事。

あと、読書会に参加した友人から元ネタの「人虎伝」との比較資料を貰ったのですが、それを読むと余計に山月記の主人公の「痛さ」を実感しまして。。

・物語の後半で主人公の詩について、親友の遠惨に
「(素晴らしい作品ではあるが)第一流の作品となるにはどこか(非常に微妙な点において)欠けるところがあるのではないか」と言わせているところ
とか。

・オレがダメなのは「尊大な羞恥心と、臆病な自尊心」ゆえだ、と自嘲してるところ
とか。

・奥さんと子供のことよりも「詩」の方を先にお願いしているところ
とか。

この「自嘲」ですよね。
痛い。
かなり痛い。
しかも自覚している。
でもどこかで「やっぱり自分はでるとこにでれば天才」って絶対信じてる。
これが表現されてるのが山月記のすごいところだなあと思うのです。

ちょっと荒っぽい言い方をすれば、今で言う「中二病」。
そういう俯瞰の仕方ができるのも大人になってからなんですよね。
一度目(若い頃)は「昔もこんなふうに悩んでいたんだなあ」とちょっと共感しながら
二度目(おとなになってから)は「青春の痛さだなあ」と思いながら
読める。ホント名作だと思います。

などなど・・・いろんな話を友人たちとしながら
当日は山・月・虎などをキーワードにいろいろ用意してみました(冒頭の写真)。
山と月のクッキー、タイガービールとブルームーンビール、お食事は餃子や春雨などの中華系、お客様からは中華のお惣菜、桜の和菓子など。拙宅からのお土産はとらやのうさぎ饅頭。
↑山月記に虎がうさぎを食べるシーンがあるんですよ。

とらやのうさぎ饅頭、初めて買ったのですが、カピバラ感がハンパない!かわいいです!
もちろん、あんこも皮(じょうよ)も美味しい。とらやのじょうよ饅頭、特にじょうよの部分が他にはない感じ。。かなり手間かけて作っていそうです。


関係ないですが、うちの娘が二個目を食べたがって「ちょっとだけ食べていい?」というので食べさせたら、お行儀の悪い食べ方をしてまして・・・。おしりの穴が空いてましたw
ハルキ文庫の「山月記」梯久美子さんのエッセイもさることながら、表紙がかわいくって!大好き。
あと、野村萬斎さんが「中島敦」を演じていたんですね!びっくり。見てみたいなあ。

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