福田美蘭展@東京都美術館
少し前のことですが
福田美蘭展@東京都美術館に
行ってきました。
結論から言うと
本当に見ごたえありました!
面白かった。
実は福田美蘭さん
私は大、大、大ファンです。
過去に現代グラフィックアートセンタ
の展覧会まで足を運んだことがあります。
現代グラフィックアートセンタがどれだけ辺鄙なところにあるかは
リンク先を見ていただくとして。
本当にそんなに遠くまで足を運ぶことも
惜しくないぐらい大スキな作家です。
最近あまり個展を開くことがなかったので
ちゃんとした個展を見たのは10年ぶりぐらいでしょうか。
前回の展覧会以降の作品がたくさん見られたのは
本当によかったです。
その中には
911や311、お父さんである福田繁雄さんの死、おじいさんの死
福田美蘭さんなりに幾多の山谷があったわけで
もともと素晴らしい才能を持っている方ではありますが
上記の内容をテーマにした作品群に
彼女の「やさしさ」みたいなものを強く感じました。
以前は「描くこととは、絵画とは何ぞや」という
テーマのものが多かったと思いますが
基本的なテーマはそこにおきつつ
上記の内容がテーマに重なり、
なんとも言えない感動をおぼえました。
一番ジンと来たのは
観音像と花の絵かな。。
観音の左下に広がるのは
震災後に飲み込まれた家々
本当に多くの人が亡くなったと思います。
それを赤子に昇華され観音に抱かれているかと思うと
ホント、涙が出てきました。
亡くなった方だけでなく、家族や友人を亡くした方
そういう人もすべて観音にやさしく抱かれて
慈愛を受けている。
私はそんな感想を持ちました。
もちろん
オリジナルはこちら
赤子は観音の足元にいます。
花の絵も
ホント、自分の親が亡くなるときって
こんな感じなんだろうなあと。
事実としてよりも、そのときの自分の環境とか日常とか
雰囲気とか。別になくなった繁雄さんのことが描かれている訳では
ないんだけど、ヴァーチャルな五感をもって妙にリアルに
迫ってくる作品でした。
オリジナルはゴッホの絵。
この方のブログに掲載されております。
あとは
一連の作品を見ていて思ったのは
強烈な批判精神とういか、ブラックさというか。
会田誠の
「名実ともにパイセン(先輩)と呼べるのは福田美蘭さんだけ」
という発言も納得。
会田誠からの文脈は全然思いつかなかったんですが
かなり腹落ちしました。
会田誠以前にここまで強烈な批判を含んだ作品を発表していたのは
福田美蘭さん以外には思い浮かばないですね。
と、言えども。
福田さんの作品は、会田作品に比べてブラックさは薄くて(やわいという意味ではない)
もっと純粋な、アーティストとしての「探究心」みたいなものに近いかなあと思いました。
子どもの「なんで?なんで?」という探究心に近い、純粋な感じ。
まあ、それは福田さん自身の「育ちのよさ」というは「品格」に拠るものが
大きいのかなと思いましたが。
展覧会があまりによかったので
久々にカタログも購入。
作家本人による作品の解説が読み応えあり。
読み物としても面白いです。
→うちの母もカタログだけ読んで「これは面白い」と言っていました。
ついでに
福田さんの作品まで買ってしまいましたw
福田さんの展覧会の新聞記事の切り抜きです
それにエディションナンバが付されています。
消耗されるものではあるけど、複製作品には違いないよね?
エディションナンバ入れて売ってみましたよ、という作品。
一枚1000円。
売り上げは震災のチャリティー基金に寄付されるそうです。
カタログも作品も買って、
かなりホクホクな感じで家路につきました。
福田さん、また展覧会やってください!
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