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小谷元彦展 幽体の知覚@森美術館

少し前になりますが、小谷元彦展 幽体の知覚@森美術館に行って来ました。
いやー、想像以上に良かったです。
昨年後半、一番良かった展覧会かもしれない。超おすすめです!
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小谷さんは、ファントム・リムの当たりからかな。
ちょこまかと知っていました。
21世紀美術館でファントム・リムと、いくつかの作品も観たし、
長谷川祐子さん(現MOTチーフキュレータ)の展覧会で、頻繁に登場する作家なので
グループ展なんかで、部分的に観てて、ああいいなと思っていたぐらい。

決定的にファンになったのは、
一昨年のネオテニージャパン@上野の森美術館でした。
狼のドレスと、フィンガーシュパンナーと、いくつかの作品が出てて、
ああ、なるほど!と思ってしまった。
やっぱり、身銭を切って買ってる人は違いますよ。
ホントに好きで作品買ってるから、コレクタの意思みたいなものが明確に出る。
つまり、「この作家のここが好き」という文脈がばっちり見えるんです。

痛みと狂気、それでいて高貴で、クール。

これが小谷さんの持ち味だと思います。
高橋龍太郎氏曰く「羊たちの沈黙」です。

で、今回の展覧会ですが、彼の才能を多面的に捉えていて
(失礼な言い方ですが)森美術館のあの広い展示スペースを
フルで使い尽くす程の、すごい才能の持ち主であることを実感させられました。
あっぱれ。

今回、ガイドツアーに参加したのですが、
デビュー作にして代表作「ファントム・リム」あたりからして、私の理解は浅かった・・・
少女の手は血で汚れているのかと思いきや、ベリー(果物)なんですよね。
血であるようなイメージは重ねているけれど、例えば、子供のときに食べ物を素手で
こねくり回してしまうような、(大人になると失われてしまう)
そういう感覚も表現してると聞いて、なるほど~と思いました。
それが、ファントム・リム(肉体は失われてしまったのに、
まるでその肉体があるかのような感覚)なんですよね。

フィンガーシュパンナーしかり、木製のドレスしかり、バンビしかり。

私たちの目に見えない、想像力で作られる痛点を内側から刺激するような
そういうゾワゾワする感覚を私たちにあじあわせてくれます。

それが、今回のテーマである「幽体の知覚」である訳です。

その文脈でみると、昨年メゾンエルメスにも出品された「ホロウ」
シリーズもぐっと面白くみえてきて、人間の身体から放出される
エネルギー体、あるいは情念のようなものも、目には見えないけれど
おそらく「知覚」レベルで、こんな風に感じられているのではというのが
そのものズバリで表現されている。

これは、小谷さんがもともと彫刻家であるという文脈から考えても
すごく面白いんですよね。

だって、古典的な彫刻って、人間の具体を描くことで、人間の内面を。。
的なアプローチをしてきたのに、小谷さんは、人間のオーラとか情念
みたいなものに形を与えて表現してしまったんだもの。

・・・にしても、こんなこと書いて本当に失礼なんですが、小谷さんの彫刻、
すごく上手いです。

ホロウシリーズにも、SPシリーズにも馬の作品を出しているんですが、
馬の肉体の表現とか、すっごくリアルなんですよ。
ニューボーンシリーズも、なんでこんなに細かく流れるような作品を
作れるのか・・・不思議で仕方ありませんw

あと、今回の展覧会で、圧巻だったのが、「インフェルノ」。
360°滝です。爆音です。滝が落ちてるのか、自分が上昇してるのか
分からなくなります。

それ以外の作品は、鑑賞者の想像力で、その独特の感覚を
湧き立たせるようなことをしていますが、この作品は、唯一ダイレクトに
感覚に訴えます。

今までの作品が、今までの作品だけに、これは一種暴力ですw

とにかく体験してみてください。

2011年2月27日まで。

できれば、ガイドツアー(ギャラリートーク)がある日に行ってみてください!
作品の理解度が全然違います。

2011年1月12日(水)19:00 - 20:00
2011年1月26日(水)19:00 - 20:00
2011年2月9日(水)19:00 - 20:00
2011年2月23日(水)19:00 - 20:00

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