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医学と芸術展@森美術館

先週の水曜日、医学と芸術展@森美術館に行ってきました。

結論からいうと、なかなか面白かったんだけど・・・・現代美術ファンとしてはちょっと物足りない感じがしました。

一応、趣旨としては医学・薬学の研究に対し世界最大の助成を行っているウエルカム財団@イギリスのコンセプトを引用しつつ、肉体とか、生と死とかをテーマにしたもの。
円山応挙の波上白骨座禅図や、ジル・バルビエの老人ホーム(アメリカンヒーローたちが老いた姿をリアルに描いた作品)、河鍋暁斎のガイコツの絵、デミアン・ハーストの薬棚、ヴァルター・シェルの同じ人物の生前、死後を並べた作品、蜷川実花の写真がプリントされた華やかな義足等。
確かに面白い。生と死、そのすれすれの面白さがあると思います。
けれど、その面白さがポップすぎるというか、分かりやすいというか。たとえるなら、その先端がとがってない、まるみを感じるような作品なんですよ。ちょいぬるい。
確かにヴァルター・シェルの作品とか、かなりパンチがあるんですけど、それですら、なぜかエッジの効いた感じがしなかったんです。多分、この作品単体で展覧会をやったら、きっともっといい感じで突き刺さってきたんだと思うんですが、なぜかこの展覧会の一連の流れの中では、インパクトが弱くて、ずいぶんと分かりやすい作品をもってきちゃったなあ、と思わせる何かがありましたね。
もったいないと思いました。

義足の展示コーナでも、ボンデージ的なフェティッシュな雰囲気があって、いいっちゃいいんだけど、展覧会全体の中でのポジションで考えると、新鮮味がないというか。

ふと、長谷川祐子さんだったらどういうキュレーションをするかな、と考えてみました。

間違っても、ジル・バルビエの老人ホームみたいな、ポップな作品は持ってこないと思います。
もっと、何かと何かの境目を我々に考えさせるようなそういう作品を持ってくると思います。

で、ふと考えた。
現代美術として、エッジが効いてること、現代美術って敷居が高いわーと思ってる人をいかに呼び込むかというミッションとのバランスみたいなものを。
まあ、これってキュレータの永遠のテーマだと思うんですが、森美術館のポジションとしては、どちらかというと後者を優先させることに重きを置いているんだと思います。それと、展覧会のテーマ自体も、「アジアの中の日本としてどうあるべきか」も考えてるみたいだし。

でも、正直なところ、私にとっては、森美術館がアジアの中でどういう役割を担ってるなんてどうでもいい。ただ、面白い展覧会をやってくれればいいんです。
私が、わざわざ美術館(特に現代美術)に足を運ぶのって、そういう生ぬるいポップさ、分かりやすさを求めているからじゃないですし。
森美術館がそこそこ面白い展示をやってるけど、じつは私自身わざわざ行くことが少ない、またサポートメンバになる気もしないのも結局そういうところなんだろうなと思いました。

なんか今回は結構キツイことを書いてしまいましたが、展覧会自体は面白いです。1200円ぐらいの価値はあります!見るならガイドツアー付きで見るのをオススメします。

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