八木良太「Circuit」@無人島プロダクション
土曜日は、八木良太「Circuit」@無人島プロダクションへ。
八木さんの作品と最初に出会ったのは、六本木アクシスのAランチでした。
このAランチ、なかなか面白い展覧会で、メニューをみて、オーダすると、給仕さんがアート作品を一つ一つ運んできてくれます。そして、鑑賞者は運ばれてきた作品をテーブルの上でゆっくりと鑑賞するというもの。
アートはギャラリーや美術館で鑑賞するもの、というイメージを覆すなかなか面白い展覧会でした。
その展覧会で、初めてみた八木さんの作品が、VINYL。
氷で作ったアナログレコード。ちゃんと、プレイヤで再生できるんですよ!
音も意外といいでしょう?
本来パーマネントに記録されるはずのレコードをあえてパーマネントなものではないもの(氷)で記録する。
その再生も1回のみ、というセンスがなかなかだなあと思って。
以来ファンになってしまいました。
そのほか、傘の持ち手の先につながれたヘッドフォンから雨音を聴く、「雨の日の音楽」
オルゴールを録音したテープを手回しで再生させる装置 「fuer Elise」
アナログ→デジタル→やっぱアナログ・笑
というように、表現するメディアの位相をズラしてから、またさらにズラす感覚がとっても面白い作家です。
いままので作品は一環して「回転」というものに着目していましたが、今回は「回路」。
どんな作品かというと、アナログレコードを半分に切ったものを、まるでプラレールのようにつなぎ合わせて、その上を、車型のアナログプレイヤを走らせて再生させるというもの。
実際、ギャラリで走らせているところを見ましたが、音楽としては、かなり聞き取りづらいもののの、いろんな音楽が連続して聞こえてきて面白い。まさしく、「回転」が「回路」にシフトチェンジされてます。6畳分ぐらいのスペースにアナログレコードをつなぎ合わせたものが広がっているというビジュアルもなかなかインパクトがありました。
その上のフロアではもう1つ作品が展示されていたのですが、これまた面白くて!
映像作品で、BGMに使っている音楽は3つの曲がミックスされたものを使い、映像の3つのシーンでテンポを変えています。で、テンポごとに、聞こえてくる音楽が異なってくるとうい作品でした。
1つは、エリックサティ、1つは、ルロイ・アンダーソンのタイプライタ、あと1つは忘れてしまったのですが、あるテンポでは、曲A、Cは消失し(でもなんとなくは聞こえている)、曲Bだけが聞こえてくる。また別のテンポでは、曲Bは消失し、曲Aが聞こえてくるというものでした。
要は、同じ音楽を流しているのにテンポ(回転数)によって、人間が音楽として認知できるものが全然違ってくるという面白い作品でした。
八木良太さん、かなり才能あふれる作家です。
帰りしな、無人島プロダクションのオーナの女性と少しお話したのですが、彼女もAランチで八木さんと出会い、「この人はぜひウチで扱いたい!」ということで、スカウトしたそうです。
その気持ち、よーく分かります。あの作品のインパクトったらないですもの・笑
来年以降も注目していきたいと思います。
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コメント
この方のセンス、好きかも~♪
投稿: さゆり | 2008/12/28 22:05
コメントありがとうございます。
八木さんの作品は、ちょっと子供ぽい?かわいらしさというか、遊び心があって大好きです♪
来年、展覧会の予定があったら、こちらにアップしたいとおもいます。
投稿: 恵 | 2008/12/29 15:10